Aristocrats are unfortunate beings, I think.
ベルサイユ宮殿で録音されているこのCDシリーズはフランス革命前後の貴族たちの生活を音楽で聴くという面ではいろいろ示唆に富んでいると思うんです。たとえば、昨日、今日と聴いているアルトワ侯(のちのフランス国王、シャルル10世)の結婚式が1773年に挙行されたんですが、このときの音楽だけでも大オーケストラ音楽で、宴会そのものっていう壮大な世界になっています。このシャルル10世は国民無視の贅沢三昧かつ女たらしで結局干されたフランスの最後の王様で、フランス革命後に王政復古を叫び、結局また7月革命を招く。お世辞にも褒められた存在ではないと個人的には思います。それでも、残された音楽は故人の出来事から離れて、文化遺産のひとつとして今また私のオーディオ機器を活躍させているんです。フォステクスの2WAYで、ちょっとボリウムあげて聴いています。