Returning to the origins of his sound.
親友がこの世を去ってもう半年。同時に寂しさが半年継続しているのも事実です。
SoundFrailに、「わたしにとって理想の音は、雑味のない無垢で清潔な透明感、濃密な色彩感がありながら暑苦しくなく、サラッとした爽快感がある響きだ。」(2021年3月13日)との記述を見つけました。
最晩年の彼が使用していたYAMAHAの機材群はまさにこの表現に通じていると個人的に感じています。最晩年に限らず、彼の最愛のスピーカーJBLの4343を駆使する方法にさえ、この哲学が貫かれていると思っています。
さらに40年以上前に遡ると、まだGEQやPEQなどを使い音響調整に本腰を入れる直前にはMarkLevinson SL6 左右完全セパレートで電源部まで別というそれこそ入力とボリウム以外何も付いていないシンプルなシルバーパネルのプリアンプが彼の哲学の原点という気がしています。内部の配線のみならず、銀のケーブルがもたらす誘惑に満ち溢れた濃密なようで清潔な透明感あふれるサウンドにもその後の手本となったことが手に取れる、そういう機材でした。
おそらく、お互いの好みの響きの傾向、気になる周波数や濁りなどがことごとく私も似ていたのが功を奏してこの長い付き合いに至ったのは間違いないですが、違う部分、ことごとく気に入るまで追い詰める根気強さは私にはなく、お互い微妙に違うからこそ長くいい関係を保つことに繋がったのかも。って思います。
もう一緒にお互いのこれからのオーディオを語りあうことがなく、過去にひたるしかない寂しさはかなり辛いものがあります。
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