Arôme et goût. La vue est incluse dans ce cas.

 ワインの評価において重要な感覚要素は色覚。嗅覚。そして最後に味覚。とボルドーで習った。

グラスに注がれたワインの色合いでまず若いワインか熟成がすすんだワインか判断がつく。ついで品種、産地やヴィンテージも大体の判断がつく。白ワインでは樽で熟成し長期に渡れば黄金色が強くなる。

次に嗅覚。これはもっとも大切。色あいで大体の判断をつけ、候補をいくつか出したあとに、香り(アロマ、ブケー)で白ワインならば、ゴルフ場の刈り取ったばかりのグリーンならばソーヴィニヨン・ブラン、石油系だけど品の良い香りならばリースリング。熟成度や樽で熟成させたかどうかも判断できる。

赤ワインであれば、ラズベリー(フランボワーズ)ならばピノ・ノワール。カシスならばカベルネ・ソーヴィニヨン。熟成度も香りでわかる。ブショネと呼ばれるコルク不良もここでしっかり判別がつく。最近はコルクにかわってキャップシールが増えてこの類の不良は少なくなった。

最後に味覚。ライトボディかフルボディか。果実が強いかどうか。タンニンが多く渋めかどうか。飲み込んだあとの余韻がながいか、短いか。

最後に求められるのは感覚の三要素で調和がとれたワインであるかどうか。

オーディオに話を転じる。いまFOSTEX の機材だけで音を追い込んでいる。これはホームでくつろぐ感じ。ツィーターをJBL 2405に変えるだけでアウェー感が出る。いい意味で。

FOSTEX T900A の設定を前の大口径フルレンジのときのとは全く変えている。

かつては、クロスオーバーは18kHzだったし、106dBという能率は38cmフルレンジと対等だった。10kHzのクロスオーバーでJBL 2405を中間に使う変則2ウェイだった。

が、今はクロスオーバー8kHzのちょっと上。20cmフルレンジとの整合性をはかるためボリウムを13dB下げてフルレンジとバランスしている。

上から下までFOSTEXワンブランドのすっきりまとまった世界を追い込むとほぼなんでも再生できる。ツィーターを2405に変えるとその見える世界がガラッと豹変し、部屋の温度が7度ほど下がり、照明をぐっと落とし影が長く見える印象に。ビーフを焼くいい匂いがぐっと増し、どこかでシガーを燻らせている感がます。これは1950~1960年代のスウィングジャズだ。クラシックではグレゴリオ・パニアグワの集団が1979年に録音したLa Spagna (BIS盤)の打楽器の鮮度感にとてつもない魅力を感じる。ハープシコードもそうだ。ただし、弦楽器はどうしても暗めになるしツヤよりも渋み苦味が強い。

こうなるとワインテースティング技法を駆使して五感がつかまえるオーディオの雰囲気を自分のそのときの気分とどうマッチングを図ってバランスさせていくか。死ぬまでのこの楽しい趣味は飽きることなくつづいていく。






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