Barcalore played by Pat Metheny Group
何回も書いているけれど、このアルバムはいろいろと自分の人生に絡んでる。そう思う。
1982年NYに赴任した際、まだ運転免許を取得する前に赴任を命じられ、上司からは「君は英語喋れるんだから、向こうでとりたまえ。筆記なんか簡単なもんよ。」と煽られていったら、筆記じゃなくて実技で落ちに落ちまくった。要はNY訛りの英語が何回聞いてもわからんかった。
一人でホテルに缶詰。土日は同僚も上司も家族サービスで忙しく相手にしてくれないから、ホテルから歩いて近くのハンバーガーショップやKFCに出かけ寂しい思いをした。寂しさにはバーボン。どこにでも安く売っていた。日本から持参したシーバスもうまかった。
唯一のオーディオマシーンはSONY Walkman IIカセットプレーヤー。Nakamichiのデッキでメタルテープに録音したPat Metheny Group のOFFRAMPが入れてあった。A面、B面とひっくり返して何回も何回も聴いた。あれから40年である。がん闘病生活で妙にNYのホテル住まいの頃が蘇ってくる。
同じアルバムを40年前はカセットで、今はハイレゾで聴いている。DSDデータで入手したので音の物理特性は自宅で聞く音とかわらないほど進化した。でもね、あのどうしようもない寂しさと将来への不安。どうしてもそこに辿り着く。家具はもとよりオーディオ装置も置けない殺風景な広いホテルの部屋。どうしても寂しいときは親友に国際電話をかけた。長時間、話に付き合ってもらった。国際電話の請求がモーレツな金額だった。
運転免許がとれる前にFORD Mustang GT 5.0L H.O.という、やんちゃな車を買った。マニュアル4段ミッション。ホテルの駐車場に置いてただただ眺める毎日。
秋近い頃、先輩が転勤。彼の部屋を引き継いだ。即、日通から家財道具を取り寄せた。真っ先に開梱したのはオーディオ機材。なつかしく、一気に設置した。音が出た瞬間には泣けました。住むところが決まれば車でどこでも出かけた。NY州の北、ハドソン川にタッパンジーという鉄橋がかかっている。ボブ・ジェームスの最初のレーベルの名前。この橋を渡りながらボム・ジェームスを大きな音で鳴らしたのはなつかしい思い出です。
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