Pat Metheny Group's OFFRAMP reminds me of my time in New York.
過去のある時期とある特定のアルバムが密接に関連していて、聴くたびにその頃の自分が何を感じていたのかを明白に思い出すことがどなたにもあるのではないかと思います。
私には最初に勤めた会社からNEW YORK勤務を命じられたころに購入したこのパット・メセニー・グループのオフランプっていう当時はまだLPでしたが、これは忘れることはないアルバムです。親友と出会い、オーディオの会話で盛り上がり楽しかった時間をたった1年で地理的に遠いところへと去るつらさ。しばらく自分のオーディオ装置との別れ。未知の環境で暮らすことへの不安。それらがこの一連のサウンドに紛れ込んでいる。
アメリカ赴任当日、成田空港の免税ショップで当時の最新Walkman IIを購入した。Nakamichiのカセットデッキで録音したこのアルバムのメタルテープが手持ちのカバンに入っていた。
赴任当時、運転免許証を持っていなかったので、勤務先から徒歩10分くらいのIsland Innというホテルに免許がとれるまで滞在してその間Walkmanだけが唯一のオーディオ装置でした。
免許が取れる前に車を購入。(Ford Mustang GT 5.0L High Output V8 engine)ホテルの駐車場に置きっぱなしで歩いて出勤する姿は今振り返っても滑稽であります。
秋になって免許がとれてアパートというか二階建て住宅の一階部分を借り、引越し荷物をやっと受け取りました。赴任から約3ヶ月が経過していたんです。真っ先にオーディオを開梱し、部屋に機材をならべてモーツァルトを聴きました。自分にはこういう趣味の世界があったんだと自然に涙がこぼれ落ちました。そしてこのOFFRAMPのレンジの広い音の世界。透明に響き渡るパット・メセニーの音をどれだけ待ち侘びたことか。
そういう心の表と裏両方の記憶をこのアルバムはすべて思い出させるのです。
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