Bartók mint a magyar lélek. (Bartok as the Hungarian Soul.)
2021年にバルトーク生誕140年を記念してワーナーがバルトークの主要作品を集め、作品の特徴を聴いて確かめようとする人々へ提供するCD20枚のボックスを発売。もう入手できないかと不安もありましたが、在庫わずかのところなんとか間に合いました。
個人的な印象ですが、バルトークは作曲にあたり冷静に俯瞰して捉えている曲の構成を感じる(恐らく黄金分割や中心軸システムとのつながりがあると思われ)アンサンブルがとても理知的整然さにあふれます。不協和音ですら水出しコーヒーで作ったコーヒーゼリーのような艶と透明感も感じます。多くの曲が複雑怪奇。しかし自らコダーイと共にハンガリーの民謡を調査し、採譜し、民族学研究者としての顔も残し、多種多様な方法でハンガリー伝統音楽を感じさせるフレグランスを曲の随所に醸し出していると感じます。
好きな部分は、例えばピアノを打楽器のひとつとしても使う。パーカッションの強烈な使い方。金管楽器群の分厚さと透明な響き。弦楽器の芯の強さ。などなど。
このボックスには合唱曲、歌劇、器楽そして自作自演を含むヒストリカル録音も含み、興味は尽きません。
ナチズムと共産主義を嫌ってアメリカに渡り、極貧の中、白血病で1945年に生涯を終えましたが、亡骸はナチズムと共産主義が残っている限りハンガリーには移さないように。とのことでニューヨーク北部ブロンクスのファーンクリフ墓地に埋葬されていましたが、1988年ブダペストのファルカシュレーティ墓地に再埋葬されたことは記憶に新しいところです。
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